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〘1508㌻〙

第1章

1 これユダの王わうウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの世よイスラエルの王わうヨアシの子こヤラベアムの世よにベエリの子こホセアに臨のぞめるヱホバの言ことばなり

2 ヱホバはじめホセアによりて語かたりたまへる時ときヱホバ、ホセアに宣のたまはく汝なんぢゆきて淫行いんかうの婦󠄃人をんなを娶めとり淫行いんかうの子等こらを取とれ この國くにヱホバに遠󠄄とほざかりてはなはだしき淫行いんかうをなせばなり 3 是こゝにおいて彼かれゆきてデブライムの女子むすめゴメルを妻つまに娶めとりけるがその婦󠄃をんなはらみて男子なんしを產うめり 4 ヱホバまた彼かれにいひ給たまひけるは汝なんぢその名なをヱズレルと名なづくべし 暫時しばらくありて我われヱズレルの血ちをヱヒウの家いへに報むくいイスラエルの家いへの國くにをほろぼすべければなり 5 その日ひわれヱズレルの谷たににてイスラエルの弓ゆみを折をるべしと 6 ゴメルまた孕はらみて女子によしを產うみければヱホバ、ホセアに言いひたまひけるは汝なんぢその名なをロルマハ(憐あはれまれぬ者もの)と名なづくべしそは我われもはやイスラエルの家いへをあはれみて赦ゆるすが如ごときことを爲せざるべければなり 7 然されどわれユダの家いへをあはれまん その神かみヱホバによりて之これをすくはん 我われは弓ゆみ劍つるぎ戰爭いくさ馬むま騎兵きへいなどによりてすくふことをせじ 8 ロルハマ乳󠄃ちをやめゴメルまた孕はらみて男子なんしを產うみけるに 9 ヱホバ言いひたまひけるはその子この名なをロアンミ(吾わが民たみに非あらざる者もの)と名なづくべし 其そは汝なんぢらは吾わが民たみにあらず我われは汝なんぢらの神かみに非あらざればなり

10 然されどイスラエルの子孫しそんの數󠄄かずは濱はまの沙石いさごのごとくに成󠄃なりゆきて量はかることも數󠄄かぞふる事ことも爲なしがたく前󠄃まへになんぢらわが民たみにあらずと言いはれしその處ところにて汝なんぢらは活いける神かみの子こなりと言いはれんとす 11 斯かくてユダの子孫しそんとイスラエルの子孫しそんは共ともに集あつまり一人ひとりの首をさをたててその地ちより上のぼり來きたらん ヱズレルの日ひは大おほいなるべし
 1508㌻ 

第2章

1 汝なんぢらの兄弟きやうだいに向むかひてはアンミ(わが民たみ)と言いひ汝なんぢらの姉妹しまいにむかひてはルハマ(憐あはれまるる者もの)と言いへ 2 なんぢらの母はゝとあげつらへ論辨あげつらふことをせよ彼かれはわが妻つまにあらず我われはかれの夫をつとにあらざるなりなんぢら斯かくしてかれにその面かほより淫行いんかうを除のぞかせその乳󠄃房󠄃ちぶさの間あひだより姦淫かんいんをのぞかしめよ 3 然しからざれば我われかれを剝はぎて赤あか體はだかにしその生うまれいでたる日ひのごとくにしまた荒野あれののごとくならしめ潤うるほひなき地ちのごとくならしめ渇かわきによりて死しなしめん 4 我われその子等こらを憐あはれまじ淫行いんかうの子等こらなればなり〘1155㌻〙 5 かれらの母はゝは淫行いんかうをなせりかれらを生うめる者ものは恥はづべき事ことをおこなへり蓋そはかれいへる言ことあり我われはわが戀人こひびと等たちにつきしたがはん彼かれらはわがパンわが水みづわが羊毛ひつじのけわが麻󠄃あさわが油あぶらわが飮物のみものなどを我われに與あたふるなりと 6 この故ゆゑにわれ荊棘いばらをもてなんぢの路みちをふさぎ垣かきをたてて彼かれにその徑みちをえざらしむべし 7 彼かれはその戀人こひびとたちの後あとをしたひゆけども追󠄃及おひしくことなく之これをたづぬれども遇󠄃あふことなし是こゝにおいて彼かれいはん我われゆきてわが前󠄃まへの夫をつとにかへるべしかのときのわが狀態ありさまは今いまにまさりて善よかりきと

8 彼かれが得うる穀物こくもつと酒さけと油あぶらはわが與あたふるところ彼かれがバアルのために用もちゐたる金銀きんぎんはわが彼かれに增ましあたへたるところなるを彼かれはしらざるなり 9 これによりて我われわが穀物こくもつをその時ときにおよびて奪うばひわが酒さけをその季きにいたりてうばひ又󠄂またかれの裸體はだかをおほふに用もちゆべきわが羊毛ひつじのけおよびわが麻󠄃あさをとらん 10 今いまわれかれの恥はづるところをその戀人こひびと等らの目めのまへに露あらはすべし彼かれをわが手てより救すくふものあらじ 11 我われかれがすべての喜樂たのしみすなはち祝筵しくえん新月󠄃しんげつのいはひ安息日あんそくにちおよび一切すべての節󠄄會せちゑをして息やましめん 12 また彼かれの葡萄ぶだうの樹きと無花果いちじくの樹きをそこなはん彼かれさきに此これ等らをさしてわが戀人こひびとの我われにあたへし賞賜たまものなりと言いひしがわれこれを林はやしとなし野のの獸けものをしてくらはしめん 13 われかれが耳みゝ環󠄃わ頸くび玉だまなどを掛かけてその戀人こひびとらをしたひゆき我われをわすれ香かうをたきて事つかへしもろもろのバアルの日ひのゆゑをもてその罪つみを罰ばつせんヱホバかく言いひたまふ
 1509㌻ 

14 斯かゝるがゆゑに我われかれを誘いざなひて荒野あれのにみちびきいり終󠄃つひにかれの心こゝろをなぐさめ 15 かしこを出いづるや直たゞちにわれかれにその葡萄園ぶだうばたけを與あたへアコル(艱難なやみ)の谷たにを望󠄇のぞみの門もんとなしてあたへん彼かれはわかかりし時ときのごとくエジプトの國くにより上のぼりきたりし時ときのごとくかしこにて歌うたうたはん 16 ヱホバ言いひたまふその日ひにはなんぢ我われをふたゝびバアリとよばずしてイシ(吾わが夫をつと)とよばん 17 我われもろもろのバアルの名なをかれが口くちよりとりのぞき重かさねてその名なを世よに記憶きおくせらるること無なからしめん 18 その日ひには我われかれら(我民わがたみ)のために野のの獸けものそらの鳥とりおよび地ちの昆蟲はふものと誓約ちかひをむすびまた弓箭󠄃ゆみやををり戰爭いくさを全󠄃ぜん世界せかいよりのぞき彼かれらをして安やすらかに居をらしむべし 19 われ汝なんぢをめとりて永遠󠄄とこしへにいたらん公󠄃義ただしきと公󠄃平󠄃おほやけと寵愛いつくしみと憐憫あはれみとをもてなんぢを娶めとり 20 かはることなき眞󠄃實まことをもて汝なんぢをめとるべし汝なんぢヱホバをしらん

21 ヱホバいひ給たまふその日ひわれ應こたへん我われは天てんにこたへ天てんは地ちにこたへ〘1156㌻〙 22 地ちは穀物こくもつと酒さけと油あぶらとに應こたへまた是等これらのものはヱズレルに應こたへん 23 我われわがためにかれを地ちにまき憐あはれまれざりし者ものをあはれみわが民たみならざりし者ものにむかひて汝なんぢはわが民たみなりといはんかれらは我われにむかひて汝なんぢはわが神かみなりといはん

第3章

1 ヱホバわれに言いひ給たまひけるは汝なんぢふたゝび往󠄃ゆきてヱホバに愛あいせらるれども轉かへりてほかのもろもろの神かみにむかひ葡萄ぶだうの菓子くわしを愛あいするイスラエルの子孫しそんのごとく そのつれそふものに愛あいせらるれども姦淫かんいんをおこなふ婦󠄃人をんなをあいせよ 2 われ銀ぎん十五枚まいおほむぎ一ホメル半󠄃はんをもてわが爲ためにその婦󠄃人をんなをえたり 3 我われこれにいひけるは汝なんぢおほくの日ひわがためにとゞまりて淫行いんかうをなすことなく他ほかの人ひとにゆくことなかれ 我われもまた汝なんぢにむかひて然しかせん
 1510㌻ 
4 イスラエルの子輩こらは多おほくの日ひ王わうなく君きみなく犧牲いけにへなく表しるしの柱󠄃はしらなくエボデなくテラビムなくして居をらん 5 その後のちイスラエルの子輩こらはかへりてその神かみヱホバとその王わうダビデをたづねもとめ末すゑの日ひにをののきてヱホバとその恩惠めぐみとにむかひてゆかん

第4章

1 イスラエルの子輩こらよヱホバの言ことばを聽きけヱホバこの地ちに住󠄃すめる者ものと爭辨あらそひたまふ其そは此この地ちには誠󠄃實まことなく愛情󠄃いつくしみなく神かみを知しる事ことなければなり 2 ただ詛のろひ僞いつはり凶殺ひとごろし盜ぬすみ姦淫かんいんのみにして互たがひに相あひ襲󠄂おそひ血ち血ちにつづき流ながる 3 このゆゑにその地ちうれひにしづみ之これにすむものはみな野ののけもの空󠄃そらのとりとともにおとろへ海うみの魚うをもまた絕たえはてん 4 されど何人なにびともあらそふべからずいましむ可べからず汝なんぢの民たみは祭司さいしと爭あらそふ者ものの如ごとくなれり 5 汝なんぢは晝ひるつまづき汝なんぢと偕ともなる預言者よげんしやは夜よるつまづかん我われなんぢの母はゝを亡ほろぼすべし

6 わが民たみは知識ちしきなきによりて亡ほろぼさるなんぢ知識ちしきを棄すつるによりて我われもまた汝なんぢを棄すててわが祭司さいしたらしめじ汝なんぢおのが神かみの律法おきてを忘󠄃わするるによりて我われもなんぢの子等こらを忘󠄃わすれん 7 彼かれらは大おほいなるにしたがひてますます我われに罪つみを犯をかせば我われかれらの榮さかえを辱はぢに變かへん 8 彼かれらはわが民たみの罪つみをくらひ心こゝろをかたむけてその罪つみををかすを願ねがへり 9 このゆゑに民たみの遇󠄃あふところは祭司さいしもまた同おなじわれその途󠄃みちをかれらにきたらせその行爲わざをもて之これにむくゆべし 10 かれらは食󠄃くらへども飽󠄄あかず淫行いんかうをなせどもその數󠄄かずまさずその心こゝろをヱホバにとむることを止やむればなり

11 淫行いんかうと酒さけと新あたらしき酒さけはその人ひとの心こゝろをうばふ 12 わが民たみ木きにむかひて事ことをとふその杖つゑかれらに事ことをしめす是これかれら淫行いんかうの靈れいにまよはされその神かみの下したを離はなれて淫行いんかうを爲なすなり〘1157㌻〙 13 彼かれらは山々やま〳〵の巓󠄄いただきにて犧牲いけにへを献さゝげ岡をかの上うへにて香かうを焚たき橡樹かしのき 楊やなぎの樹き 栗くりの樹きの下もとにてこの事ことをおこなふ此こはその樹こ蔭かげの美うるはしきによりてなりここをもてなんぢらの女子むすめは淫行いんかうをなしなんぢらの兒この婦󠄃つまは姦淫かんいんをおこなふ
 1511㌻ 
14 我われなんぢらのむすめ淫行いんかうをなせども罰ばつせずなんぢらの兒この婦󠄃つまかんいんをおこなへども刑つみせじ其そはなんぢらもみづから離はなれゆきて妓女あそびめとともに居をり淫婦󠄃たはれめとともに献さゝげ物ものをそなふればなり悟さとらざる民たみはほろぶべし

15 イスラエルよ汝なんぢ淫行いんかうをなすともユダに罪つみを犯をかさする勿なかれギルガルに往󠄃ゆくなかれベテアベンに上のぼるなかれヱホバは活いくと曰いひて誓ちかふなかれ 16 イスラエルは頑󠄂强かたくななる牛うしのごとくに頑󠄂强かたくななり今いまヱホバ恙羊こひつじをひろき野のにはなてるが如ごとくして之これを牧やしなはん 17 エフライムは偶像󠄃ぐうざうにむすびつらなれりその爲なすにまかせよ 18 かれらの酒さけはくされかれらの淫行いんかうはやまずかれらの楯たてとなるべき者等ものらは恥はぢを愛あいしいたく之これを愛あいせり 19 かれは風かぜの翼󠄅つばさにつつまれかれらはその禮物そなへものによりて恥辱はぢをかうむらん

第5章

1 祭司さいし等らよこれを聽きけイスラエルの家いへよ耳みゝをかたむけよ 王わうのいへよ之これにこころを注とめよ さばきは汝等なんぢらにのぞまん そは我われらはミズパに設まうくる羂わなタボルに張はれる網󠄄あみのごとくなればなり 2 悖逆󠄃者そむくものはふかく罪つみにしづみたり我われかれらをことごとく懲こらしめん 3 我われはエフライムを知しる イスラエルはわれに隱かくるるところ無なし エフライムよなんぢ今いますでに淫行いんかうをなせりイスラエルはすでに汚けがれたり 4 かれらの行爲おこなひかれらをしてその神かみに歸かへること能あたはざらしむ そは淫行いんかうの靈れいその衷うちにありてヱホバを知しることなければなり 5 イスラエルの驕傲ほこりはその面かほにむかひて證あかしをなしその罪つみによりてイスラエルとエフライムは仆たふれユダもまた之これとともにたふれん 6 かれらは羊ひつじのむれ牛うしの群むれをたづさへ往󠄃ゆきてヱホバを尋󠄃たづね求もとめん然されどあふことあらじヱホバ旣󠄁すでにかれらより離はなれ給たまひたればなり
 1512㌻ 
7 かれらヱホバにむかひ貞操みさをを守まもらずして他人あだしびとの子こを產うめり新月󠄃しんげつかれらとその產業さんげふとをともに滅ほろぼさん

8 なんぢらギベアにて角つのをふきラマにてラッパを吹ふきならしベテアベンにて呼よばはりて言いへベニヤミンよなんぢの後うしろにありと 9 罰つみせらるるの日ひにエフライムは荒あれ廢すたれん我われイスラエルの支󠄂派󠄄わかれの中うちにかならず有󠄃あるべきことを示しめせり 10 ユダの牧伯等きみらは境界さかひをうつすもののごとくなれり我われわが震怒いかりを水みづのごとくに彼かれらのうへに斟そゝがん 11 エフライムは甘あまんじて人ひとのさだめたるところに從したがひあゆむがゆゑに鞫さばきをうけて虐󠄃しへたげられ壓󠄂おさへられん〘1158㌻〙 12 われエフライムには蠧しみのごとくユダの家いへには腐朽くされのごとし 13 エフライムおのれに病やまひあるを見みユダおのれに傷きずあるをみたり斯かくてエフライムはアツスリヤに往󠄃ゆきヤレブ王わうに人ひとをつかはしたれど彼かれはなんぢらを醫いやすことをえず又󠄂またなんぢらの傷きずをのぞきさることを得えざるべし 14 われエフライムには獅子しゝのごとくユダの家いへにはわかき獅子しゝのごとし我われしも我われは抓かき劈さきてさり掠かすめゆけども救すくふ者ものなかるべし 15 我われふたゝびわが處ところにかへりゆき彼かれらがその罪つみをくいてひたすらわが面かほをたづね求もとむるまで其處そこにをらん彼かれらは艱難なやみによりて我われをたづねもとむることをせん

第6章

1 來きたれわれらヱホバにかへるべし ヱホバわれらを抓かき劈さきたまひたれどもまた醫いやすことをなし我儕われらをうち給たまひたれどもまたその傷きずをつつむことを爲なしたまふ可べければなり 2 ヱホバは二日ふつかののちわれらむ活いきかへし三日みつかにわれらを起󠄃たゝせたまはん 我われらその前󠄃まへにて生いきん 3 この故ゆゑにわれらヱホバをしるべし切せつにヱホバを知しることを求もとむべしヱホバは晨光あしたのひかりのごとく必かならずあらはれいで雨あめのごとくわれらにのぞみ後のちの雨あめのごとく地ちをうるほし給たまふ
 1513㌻ 

4 エフライムよ我われなんぢに何なにをなさんやユダよ我われなんぢに何なにをなさんやなんぢの愛情󠄃いつくしみはあしたの雲くものごとくまたただちにきゆる露つゆのごとし 5 このゆゑにわれ預言者よげんしや等らをもてかれらを擊うちわが口くちの言ことばをもてかれらを殺ころせりわが審判󠄄さばきはあらはれいづる光明ひかりのごとし 6 われは愛情󠄃いつくしみをよろこびて犧牲いけにへをよろこばず神かみをしるを悅よろこぶこと燔祭はんさいにまされり 7 然しかるに彼かれらはアダムのごとく誓ちかひをやぶりかしこにて不義ふぎをわれにおこなへり 8 ギレアデは惡あくをおこなふものの邑まちにして血ちの足あし跡あとそのなかに徧あまねし 9 祭司さいしのともがらは山賊󠄄やまだちの群むれのごとく伏伺したまちして人ひとをそこなひシケムに往󠄃ゆく大路おほぢにて人ひとをころす彼等かれらはかくのごとき惡あしきことをおこなへり 10 われイスラエルのいへに憎にくむべきことあるを見みたりかの處ところにてエフライムは淫いんをおこなふイスフルは汚けがれたり 11 ユダよ我われわが民たみの俘囚とらはれをかへさんときまた汝なんぢのためにも穫刈かりいれをそなへん

第7章

1 われイスラエルを醫いやさんときエフライムの愆とがとサマリヤのあしきわざと露あらはるかれらは詐詭いつはりをおこなひ內うちには偸盜ぬすびといるあり外そとには山賊󠄄やまだちのむれ掠かすめさるあり 2 かれら心こゝろにわがその一切すべての惡あくをしたためたることを思おもはず今いまその行爲わざはかれらを圍󠄃かこみふさぎて皆みなわが目前󠄃まのあたりにあり〘1159㌻〙 3 かれらはその惡あくをもて王わうを悅よろこばせその詐詭いつはりをもてもろもろの牧伯きみを悅よろこばせり 4 かれらはみな姦淫かんいんをおこなふ者ものにしてパンを作つくるものに燒やかるる爐ろのごとし揑粉󠄃ねりこをこねてその發酵ふくるるときまでしばらく火ひをおこすことをせざるのみなり 5 われらの王わうの日ひにもろもろの牧伯きみは酒さけの熱ねつによりて疾やまひし王わうは嘲󠄂あざけるものとともに手てを伸のぶ 6 かれら伏伺したまちするほどに心こゝろを爐ろのごとくして備そなへをなすそのパンを燒やくものは終󠄃夜よもすがらねむりにつき朝󠄃あしたにおよべばまた焰ほのほのごとく燃もゆ
 1514㌻ 
7 かれらはみな爐ろのごとくに熱ねつしてその審士さばきびとをやくそのもろもろの王わうはみな仆たふるかれらの中なかには我われをよぶもの一人ひとりだになし

8 エフライムは異邦󠄆人ことくにびとにいりまじるエフライムはかへさざる餹餅もちいひとなれり 9 かれは他邦󠄆人とつくにびとらにその力ちからをのまるれども之これをしらず白髮しらがその身みに雜まじり生はゆれどもこれをさとらず 10 イスラエルの驕傲ほこりはその面かほにむかひて證あかしをなすかれらは此このもろもろの事ことあれどもその神かみヱホバに歸かへることをせず又󠄂またもとむることをせざるなり 11 エフライムは智慧󠄄ちゑなくして愚おろかなる鴿はとのごとし彼等かれらはエジプトにむかひて呼よび求もとめまたアツスリヤに往󠄃ゆく 12 我われかれらの往󠄃ゆくときわが網󠄄あみをその上うへにはりて天空󠄃そらの鳥とりのごとくに引ひき墮おとし前󠄃さきにその公󠄃會こうくわいに吿つげしごとくかれらを懲こらしめん 13 禍わざはひなるかなかれらは我われをはなれて迷󠄃まよひいでたり敗壞ほろびかれらにきたらんかれらは我われにむかひて罪つみををかしたり我われかれらを贖あがなはんとおもへどもかれら我われにさからひて謊󠄃言いつはりをいへり 14 かれら誠󠄃心まごころをもて我われをよばず唯たゞ牀とこにありて哀かなしみ號さけべりかれらは穀物こくもつとあたらしき酒さけのゆゑをもて相あひ集あつまりかつわれに逆󠄃さからふ 15 我われかれらを敎をしへその腕かひなをつよくせしかども彼かれらはわれにもとりて惡あしきことを謀はかる 16 かれらは歸かへるされども至高者いとたかきものにかへらず彼かれらはたのみがたき弓ゆみのごとし彼かれらのもろもろの牧伯きみはその舌したのあらき言ことばによりて劍つるぎにたふれん彼かれらは之これがためにエジプトの國くににて嘲󠄂笑あざけりをうくべし

第8章

1 ラッパをなんぢの口くちにあてよ敵あだは鷲わしのごとくヱホバの家いへにのぞめりこの民たみわが契󠄅約けいやくをやぶりわが律法おきてを犯をかししによる 2 かれら我われにむかひてわが神かみよわれらイスラエルはなんぢを知しれりと叫さけばん 3 イスラエルは善ぜんをいみきらへり敵てきこれを追󠄃おはん 4 かれら王わうをたてたり然しかれども我われにより立たてしにあらずかれら牧伯きみをたてたり然しかれども我わがしらざるところなり彼かれらまたその金銀きんぎんをもて己おのがために偶像󠄃ぐうざうをつくれりその造󠄃つくれるは毀こぼちすてられんが爲ためにせしにことならず〘1160㌻〙
 1515㌻ 
5 サマリヤよなんぢの犢こうしは忌いみきらふべきものなりわが怒いかりかれらにむかひて燃もゆかれら何いづれの時ときにか罪つみなきにいたらん 6 この犢こうしはイスラエルより出いづ匠人たくみのつくれる者ものにして神かみにあらずサマリヤの犢こうしはくだけて粉󠄃ことならん 7 かれらは風かぜをまきて狂風はやちをかりとらん種まくところは生長おえたてる穀物こくもつなくその穗ほはみのらざるべしたとひ實みのるとも他邦󠄆人とつくにびとこれを呑のまん

8 イスラエルは旣󠄁すでに呑のまれたり彼等かれらいま列國くに〴〵の中うちにおいて悅よろこばれざる器うつはのごとく視み做なさるるなり 9 彼かれらは獨ひとりゐし野のの驢馬ろばのごとくアッスリヤにゆけりエフライムは物ものを餽おくりて戀人こひびとを得えたり 10 かれら列國くに〴〵の民たみに物ものを餽おくりたりと雖いへども今いまわれ彼等かれらをつどへ集あつむ彼かれらは諸もろもろの侯伯きみの王わうに負󠄅おはせらるる重おも擔にのために衰󠄄おとろへ始はじめん

11 エフライムは多おほくの祭壇さいだんを造󠄃つくりて罪つみを犯をかすこの祭壇さいだんはかれらが罪つみに陷おちいる階はしとはなれり 12 我われかれらのために律法おきてをしるして數󠄄件あまたの箇條かじやうを示しめしたれど彼かれらは反かへつて之これを異あやしき物ものとおもへり 13 かれらは我われに献そなふべき物ものを献そなふれども只たゞ肉󠄁にくをそなへて己おのれみづから之これを食󠄃くらふヱホバは之これを納󠄃いれたまはず今いまかれらの愆とがを記おぼえ彼かれらの罪つみを罰ばつしたまはん彼かれらはエジプトに歸かへるべし 14 イスラエルは己おのれが造󠄃主つくりぬしを忘󠄃わすれてもろもろの社廟やしろを建󠄄たてユダは塀へいをとりまはせる邑まちを多おほく增まし加くはへたり然されどわれ火ひをその邑々まち〳〵におくりて諸もろ〳〵の城󠄃しろを燒やき亡ほろぼさん

第9章

1 イスラエルよ異邦󠄆人ことくにびとのごとく喜よろこびすさむ勿なかれなんぢ淫行いんかうをなして汝なんぢの神かみを離はなる汝なんぢすべての麥むぎの打塲うちばにて賜たまはる淫行いんかうの賞賜たまものを愛あいせり 2 打うち場ばと酒榨さかぶねとはかれらを養󠄄やしなはじ亦またあたらしき酒さけもむなしくならん
 1516㌻ 
3 かれらはヱホバの地ちにとゞまらずエフライムはエジプトに歸かへりアッスリヤにて汚穢けがれたる物ものを食󠄃くらはん 4 彼等かれらはヱホバにむかひて酒さけを灌そゝぐべき者ものにあらずその祭物そなへものはヱホバの悅よろこびたまふ所󠄃ところにあらずかれらの犧牲いけにへは喪もに居をるもののパンのごとし凡すべてこれを食󠄃くらふものは汚けがるべし彼等かれらのパンは只たゞおのが食󠄃くらふためにのみ用もちゐべくしてヱホバの家いへに入いるべきにあらず 5 なんぢら集會つどひの日ひとヱホバの節󠄄會せちゑの日ひに何なにをなさんとするや 6 視みよかれら滅亡ほろびの故ゆゑによりて去さりゆきぬエジプトかれらをあつめメンピスかれらを葬はうむらん蒺藜あざみかれらが銀ぎんの寳たから物ものを獲えいばら彼かれらの天てん幕まくに蔓はびこらん 7 刑罰けいばつの日ひきたり應報むくいの日ひきたれりイスラエルこれを知しらん預言者よげんしやは愚おろかなるもの靈れいに感かんじたるものは狂くるへるものなりこれ汝なんぢの惡あくおほく汝なんぢの怨恨うらみおほいなるに因よる〘1161㌻〙 8 エフライムは我わが神かみにならべて他ほかの神かみをも佇まち望󠄇のぞめり預言者よげんしやの一切すべての途󠄃みちは鳥とりを捕とらふる者ものの網󠄄あみのごとく且かつその神かみの室いへの中うちにて怨恨うらみを懷いだけり 9 かれらはギベアの日ひのごとく甚はなはだしく惡あしき事ことを行おこなへりヱホバはその惡あくをこころに記とめてその罪つみを罰ばつしたまはん

10 在昔むかしわれイスラエルを見みること荒野あれのの葡萄ぶだうのごとく汝なんぢらの先祖せんぞ等たちを看みること無花果いちじくの樹きの始はじめにむすべる最先いやさきの果みの如ごとくなししに彼等かれらはバアルペオルにゆきて身みを恥辱ちじよくにゆだねその愛あいする物ものとともに憎にくむべき者ものとはなれり 11 エフライムの榮光さかえは鳥とりのごとく飛とびさらん即すなはち產うむことも孕はらむことも妊娠みごもることもなかるべし 12 假令たとひかれら子等こらを育そだつるとも我われその子こを喪うしなひて遺󠄃のこる人ひとなきにいたらしめん我わが離はなるる時ときかれらの禍わざはひ大おほいなる哉かな 13 われエフライムを美よき地ちに植うゑてツロのごとくなししかどもエフライムはその子等こらを携たづさへいだして人ひとを殺ころすに付わたさんとす 14 ヱホバよ彼かれらに與あたへたまへ汝なんぢなにを與あたふへんとしたまふや孕はらまざる胎はらと乳󠄃ちなき乳󠄃房󠄃ちぶさとを與あたへたまへ 15 かれらが凡すべての惡あくはギルガルにあり此故このゆゑに我われかしこにて之これを惡にくめりその行爲おこなひあしければ我わが家いへより逐󠄃おひいだし重かさねて愛あいすることをせじその牧伯等つかさたちはみな悖もとれる者ものなり
 1517㌻ 
16 エフライムは擊うたれその根ねはかれて果みを結むすぶまじ若もし產うむことあらば我われその胎はらなる愛いつくしむ實みを殺ころさん 17 かれら聽きゝ從したがはざるによりて我わが神かみこれを棄すてたまふべしかれらは列もろもろの國民くにたみのうちに流離さすらひ人びととならん

第10章

1 イスラエルは果みをむすびて茂しげり榮さかえる葡萄ぶだうの樹きその果みの多おほくなるがままに祭壇さいだんをましその地ちの饒ゆたかなるがままに偶像󠄃ぐうざうを美うるはしくせり 2 かれらは二心ふたごころをいだけり今いまかれら罪つみせらるべし神かみはその祭壇さいだんを打うち毀こぼちその偶像󠄃ぐうざうを折くだき棄すてたまはん 3 かれら今いまいふべし我儕われら神かみを畏おそれざりしに因よりて我われらに王わうなしこの王わうはわれらのために何なにをかなさんと

4 かれらは虛むなしき言ことばをいだし僞いつはりの誓ちかひをなして約やくをたつ審判󠄄さばきは畑はたけの畝うねにもえいづる茵蔯いんちんのごとし 5 サマリヤの居民きよみんはベテアベンの犢こうしの故ゆゑによりて戰慄をののかんその民たみとこれを悅よろこぶ祭司さいし等たちはその榮さかえのうせたるが爲ためになげかん 6 犢こうしはアッスリヤに携たづさへられ禮物れいもつとしてヤレブ王わうに献さゝげらるべしエフライムは羞はぢをかうむりイスラエルはおのが計議はからひを恥はぢん 7 サマリヤはほろびその王わうは水みづのうへの木き片ぎれのごとし 8 イスラエルの罪つみなるアベンの崇邱たかきところは荒あれはてて荊棘いばらと蒺藜あざみその壇だんのうへにはえ茂しげらんその時ときかれら山やまにむかひて我儕われらをおほへ陵をかにむかひて我儕われらのうへに倒たふれよといはん〘1162㌻〙

9 イスラエルよ汝なんぢはギベアの日ひより罪つみををかせり彼等かれらはそこに立たてり邪󠄅惡よこしまのひとびとを攻せめたりし戰爭いくさはギベアにてかれらに及およばざりき
 1518㌻ 
10 我われ思おもふままに彼等かれらをいましめん彼等かれらその二ふたつの罪つみにつながれん時ときもろもろの民たみあつまりて之これをせめん 11 エフライムは馴ならされたる牝め牛うしのごとくにして穀こくをふむことを好このむされどわれその美うるはしき頸くびに物ものを負󠄅おはしむべし我われエフライムに軛くびきをかけんユダは耕󠄃たがへしヤコブは土塊つちくれをくだかん

12 なんぢら義ぎを生しやうずるために種たねをまき憐憫あはれみにしたがひてかりとり又󠄂また新あら地ちをひらけ今いまはヱホバを求もとむべき時ときなり終󠄃つひにはヱホバきたりて義ぎを雨あめのごとく汝等なんぢらのうへに降󠄄ふらせたまはん 13 なんぢらは惡あくをたがへし不義ふぎを穫かりをさめ虛僞いつはりの果みをくらへりこは汝なんぢおのれの途󠄃みちをたのみ己おのが勇󠄃士ゆうしの數󠄄かず衆おほきをたのめるに緣よる 14 この故ゆゑになんぢらの民たみのなかに擾亂さわぎおこりて汝なんぢらの城󠄃しろはことごとく打うち破やぶられんシャルマンが戰門たたかひの日ひにベテアルベルを打うち破やぶりしにことならず母はゝその子ことともに碎くだかれたり 15 なんぢらの大おほいなる惡あくのゆゑによりてべテル如此かくなんぢらに行おこなへるなりイスラエルの王わうはあしたに滅ほろびん

第11章

1 イスラエルの幼おさなかりしとき我われこれを愛あいしぬ我われわが子こをエジプトより呼よびいだしたり 2 かれらは呼よばるるに隨したがひていよいよその呼よぶ者ものに遠󠄄とほざかり且かつもろもろのバアルに犧牲いけにへをささげ雕えりたる偶像󠄃ぐうざうに香かうを焚たけり 3 われエフライムに步あゆむことををしへ彼等かれらをわが腕かひなにのせて抱󠄃いだけり然されどかれらは我われにいやされたるを知しらず 4 われ人ひとにもちゐる索つなすなはち愛あいのつなをもて彼等かれらをひけり我わがかれらを待あしらふは軛くびきをその腮あごより擧あげのくるもののごとくにして彼等かれらに食󠄃物くひものをあたへたり

5 かれらはエジプトの地ちにかへらじ然されどかれらがヱホバに歸かへらざるによりてアッスリヤ人びとその王わうとならん 6 劍つるぎかれらの諸もろもろの邑まちにまはりゆきてその關くわん門もんをこぼち彼かれらをその謀計はかりごとの故ゆゑによりて滅ほろぼさん 7 わが民たみはともすれば我われにはなれんとする心こゝろあり人ひとこれを招まねきて上かみに在あるものに屬つかしめんとすれども身みをおこすもの一人ひとりだになし
 1519㌻ 

8 エフライムよ我われいかで汝なんぢをすてんやイスラエルよ我われいかで汝なんぢをわたさんや我われいかで汝なんぢをアデマのごとくせんや爭いかでなんぢをゼボイムのごとく爲せんやわが心こゝろわが衷うちにかはりて我われの愛憐いつくしみことごとく燃もえおこれり 9 我われわが烈はげしき震怒いかりをほどこすことをせじ我われかさねてエフライムを滅ほろぼすことをせじ我われは人ひとにあらず神かみなればなり我われは汝なんぢのうちにいます聖󠄃者きよきものなりいかりをもて臨のぞまじ〘1163㌻〙 10 かれらは獅子しゝの吼ほゆるごとくに聲こゑを出いだしたまふヱホバに隨したがひて步あゆまんヱホバ聲こゑを出いだしたまへば子等こらは西にしより急󠄃いそぎ來きたらん 11 かれらエジプトより鳥とりのごとくアッスリヤより鴿はとのごとくに急󠄃いそぎ來きたらん我われかれらをその家々いへ〳〵に住󠄃すまはしむべし是これヱホバの聖󠄃言みことばなり

12 エフライムは謊󠄃言いつはりをもてイスラエルの家いへは詐僞たばかりをもて我われを圍󠄃かこめりユダは神かみと信まことある聖󠄃者せいしやとに屬つきみつかずみ漂蕩たゆたへをれり

第12章

1 エフライムは風かぜをくらひ東風こちをおひ日々ひびに詐僞いつはりと暴逆󠄃あらびとを增ましくはへアッスリヤと契󠄅約けいやくを結むすび油あぶらをエジプトに餽おくれり 2 ヱホバはユダと爭辨あらそひをなしたまふヤコブをその途󠄃みちにしたがひて罰ばつしその行爲おこなひにしたがひて報むくいたまふ 3 ヤコブは胎はらにゐし時ときその兄弟きやうだいの踵くびすをとらへまた己おのが力ちからをもて神かみと角力すまひあらそへり 4 かれは天てんの使󠄃つかひと角力すまひあらそひて勝󠄃かちなきて之これに恩めぐみをもとめたり彼かれはベテルにて神かみにあへり其處そこにて神かみわれらに語ものいひたまへり 5 これは萬軍ばんぐんの神かみヱホバなりヱホバは其その記念きねんの名ななり 6 然さればなんぢの神かみにかへり矜恤あはれみと公󠄃義ただしきとをまもり恒つねになんぢの神かみを仰あふぐべし
 1520㌻ 

7 彼かれはカナン人びと(商賈あきうど)なりその手てに詭詐いつはりの權衡はかりをもち好このんであざむき取とることをなす 8 エフライムはいふ誠󠄃まことにわれは富とめる者ものとなれり我われは身みに財寳ざいはうをえたり凡すべてわが勞らうしたることの中うちに罪つみをうべき不義ふぎを見みいだす者ものなかるべし 9 我われヱホバはエジプトの國くにをいでしより以來このかたなんぢらの神かみなり我われいまも尙なほなんぢを幕屋まくやにすまはせて節󠄄會せちゑの日ひのごとくならしめん 10 我われもろもろの預言者よげんしやにかたり又󠄂またこれに益々ます〳〵おほく異象まぼろしをしめしたり我われもろもろの預言者よげんしやに托たくして譬喩󠄄たとへをまうく 11 ギレアデは不義ふぎなる者ものならずや彼かれらは全󠄃まつたく虛むなしかれらはギルガルにて牛うしを犧牲いけにへに献さゝぐかれらの祭壇さいだんは圃はたの畝うねにつみたる石いしの如ごとし 12 ヤコブはアラムの野のににげゆけりイスラエルは妻つまを得えんために人ひとに事つかへ妻つまを得えんために羊ひつじを牧かへり 13 ヱホバ一人ひとりの預言者よげんしやをもてイスラエルをエジプトより導󠄃みちびきいだし一人ひとりの預言者よげんしやをもて之これを護まもりたまへり 14 エフライムは怒いかりを激むかふること極きはめてはなはだしその主しゆかれが流ながしし血ちをかれが上うへにとどめその恥辱はづかしめをかれに歸かへらせたまはん

第13章

1 エフライム言ことばを出いだせば人ひとをののけり彼かれはイスラエルのなかに己おのれをたかうしバアルにより罪つみを犯をかして死しにたりしが〘1164㌻〙 2 今いまも尙なほますます罪つみを犯をかしその銀ぎんをもて己おのれのために像󠄃ざうを鑄いその機巧たくみにしたがひて偶像󠄃ぐうざうを作つくる是これみな工人こうじんの作さくなるなり彼かれらは之これにつきていふ犧牲いけにへを献さゝぐる者ものはこの犢こうしに吻くちを接つくべしと 3 是これによりて彼かれらは朝󠄃あしたの雲くものごとく速󠄃とみにきえうする露つゆのごとく打うち場ばより大風おほかぜに吹ふき散ちらさるる穀殼󠇯もみがらのごとく窓まどより出いでゆく煙󠄃けぶりのごとくならん

4 されど我われはエジプトの國くにをいでてより以來このかたなんぢの神かみヱホバなり爾なんぢわれの外ほかに神かみを知しることなし我われのほかに救者すくふものなし
 1521㌻ 
5 我われさきに荒野あれのにて水みづなき地ちにて爾なんぢを顧󠄃かへりみたり 6 かれらは秣場まきによりて食󠄃しよくに飽󠄄あき飽󠄄あくによりてその心こゝろたかぶり是これによりて我われを忘󠄃わすれたり 7 斯かゝるがゆゑに我われかれらに對むかひて獅子しゝの如ごとくなり途󠄃みちの傍かたへにひそみうかがふ豹󠄂へうのごとくならん 8 われ子こをうしなへる熊くまのごとく彼かれらに向むかひてその心しん膜まくを裂さき獅子しゝの如ごとくこれを食󠄃くらはん野のの獸けものこれを攫かき斷やぶるべし

9 イスラエルよ汝なんぢの滅ほろぶるは我われに背そむき汝なんぢを助たすくる者ものに背そむくが故ゆゑなり 10 汝なんぢのもろもろの邑まちに汝なんぢを助たすくべき汝なんぢの王わうは今いまいづくにかあるなんぢらがその王わうと牧伯等をさたちとを我われに與あたへよと言いひたりし士師さばきつかさ等らは今いまいづくにかある 11 われ忿怒いかりをもて汝なんぢに王わうを與あたへ憤恨いきどほりをもて之これをうばひたり 12 エフライムの不義ふぎは包󠄃つゝまれてありその罪つみはをさめたくはへられたり 13 劬うみの勞くるしみにかかれる婦󠄃をんなのかなしみ之これに臨のぞまん彼かれは愚おろかなる子こなり時ときに臨のぞみてもなほ產さん門もんに入いらず 14 我われかれらを陰府よみの手てより贖あがなはん我われかれらを死しより贖あがなはん死しよなんぢの疫なやみは何處いづくにあるか陰府よみよなんぢの災わざはひは何處いづくにあるか悔くい改あらためはかくれて我わが目めにみえず

15 彼かれは兄弟きやうだいのなかにて果みを結むすぶこと多おほけれども東風ひがしかぜ吹ふききたりヱホバの息いき荒野あれのより吹ふきおこらん之これがためにその泉いづみは乾ひその源みなもとは涸かれんその積蓄つみたくはへたるもろもろの賓貴たふとき器皿うつはものは掠かすめ奪うばはるべし 16 サマリヤはその神かみにそむきたれば刑つみせられ劍つるぎに斃たふれんその嬰兒をさなごはなげくだかれその孕はらみたる婦󠄃をんなは剖さかれん

第14章

1 イスラエルよ汝なんぢの神かみヱホバに歸かへれよ汝なんぢは不義ふぎのために仆たふれたり 2 汝なんぢら言詞ことばをたづさへ來きたりヱホバに歸かへりていへ諸もろ〳〵の不義ふぎは赦ゆるして善よきところを受納󠄃うけいれたまへ斯かくて我われらは唇くちびるをもて牛うしのごとくに汝なんぢに献さゝげん
 1522㌻ 
3 アッスリヤはわれらを授たすけじ我われらは馬むまに騎のらじまたふたゝび我儕われらみづからの手てにて作つくれる者ものにむかひわが神かみなりと言いはじ孤兒みなしごは爾なんぢによりて憐憫あはれみを得うべければなりと〘1165㌻〙

4 我われかれらの反逆󠄃そむきを醫いやし悅よろこびて之これを愛あいせん我わが怒いかりはかれを離はなれ去さりたり 5 我われイスラエルに對たいしては露つゆのごとくならん彼かれは百合花ゆりのごとく花はなさきレバノンのごとく根ねをはらん 6 その枝えだは茂しげりひろがり其その美麗󠄃うるはしきは橄欖かんらんの樹きのごとくその芬芳かうばしきはレバノンのごとくならん 7 その蔭かげに住󠄃すむ者ものかへり來きたらんかれらは穀物こくもつの如ごとく活いきかへり葡萄樹ぶだうのきのごとく花はなさきその馨香かうばしきはレバノンの酒さけのごとくなるべし 8 エフライムはいふ我われまた偶像󠄃ぐうざうと何なにのあづかる所󠄃ところあらんやと我われこれに應こたへたり我われかれを顧󠄃かへりみん我われは蒼翠󠄄みどりの松󠄃まつのごとし汝なんぢわれより果みを得えん

9 誰たれか智慧󠄄ちゑある者ものぞその人ひとはこの事ことを曉さとらん誰たれか頴悟さとりある者ものぞその人ひとは之これを知しらんヱホバの道󠄃みちは凡すべて直なほし義者ただしきものは之これを步あゆむ然されど罪人つみびとは之これに躓つまづかん〘1166㌻〙
 1523㌻